このアルゴリズムは、まだマイナーのようですが、
有名なメルセンヌ・ツイスタ(Pythonの標準の乱数生成アルゴリズムでもあります)より新しく、より乱数の性質が良いとされているアルゴリズムです。
WELLについては、以下のサイトのメモがまとまっています。
http://lt140.blogspot.jp/2010/05/well.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Well_equidistributed_long-period_linear
何気にまだちゃんと動作検証できていないのですが、勢い(だけ)でソースをのっけます。
jumpheadの動きが適当すぎるんで、もうちょっと変えます。
# -*- coding: utf-8 -*- # WELL512aのPython実装 # # 初期化にSHA512を使うのが特徴 # # 参考にしたのは、以下です # - http://www.lomont.org/Math/Papers/2008/Lomont_PRNG_2008.pdf # - http://d.hatena.ne.jp/fgshun/20090724/1248446400 # # このコードのライセンスは、MITでお願いします。 # import random from os import urandom as _urandom from binascii import hexlify as _hexlify from hashlib import sha512 _ALL_ZERO_LIST = [0] * 16 class WELL512(random.Random): VERSION = u"WELL512 ver0" def __init__(self, seed=None): _state = self._gen_seed(seed) if _state == _ALL_ZERO_LIST: self._state = self._gen_seed(self.VERSION) else: self._state = _state self.gauss_next = None self._index = 0 @classmethod def _gen_seed(cls, a=None): if a is None: try: a = long(_hexlify(_urandom(16)), 16) except NotImplementedError: import time a = long(time.time() * 256) # use fractional seconds if not isinstance(a, basestring): a = str(a) seedhash = sha512(a) hashed_states = seedhash.hexdigest() return [long(hashed_states[i: i+8], 16) for i in range(0, 128, 8)] def seed(self, a=None): self.__init__(a) def _genrand_int32(self): index = self._index state = self._state a = state[index] c = state[(index + 13) & 15] b = (a ^ c ^ (a << 16) ^ (c << 15)) & 0xffffffff c = state[(index + 9) & 15] c ^= c >> 11 a = state[index] = b ^ c d = a ^ ((a << 5) & 3661901092L) index = (index + 15) & 15 a = state[index] a ^= (b ^ d ^ (a << 2) ^ (b << 18) ^ (c << 28)) & 0xffffffff state[index] = a self._index = index return a def random(self): #return self.getrandbits(53) * (1.0 / 9007199254740992.0) return self._genrand_int32() * 2.3283064365386963e-10 def getstate(self): return (self.VERSION, tuple(self._state), self.gauss_next, self._index) def setstate(self, state): version = state[0] if version == self.VERSION: self._state = list(state[1]) self.gauss_next = state[2] self._index = state[3] else: raise ValueError("state with version %s passed to " "setstate() of version %s" % (version, self.VERSION)) def jumpahead(self, n): self.__init__(n) def getrandbits(self, k=32): ret = self._genrand_int32() for _ in range((k - 1) // 32): ret = (ret << 32) ^ self._genrand_int32() return ret >> ((- k) % 32) # EOF
メルセンヌ・ツイスタ(以下MTと略します)は、とても優秀なアルゴリズムです。
ただ、一般に出回っている初期化アルゴリズムは、seedが32ビットで設計されているため、その周期を生かし切れないケースが稀にあります。
例えばトランプのシャッフルです。52枚のカードをシャッフルするのに必要なパターンは、52の階乗(52×51×・・・×2×1)です。これは だいたい8.0×10の52乗になり、32ビットで表現できるパターン数をはるかに上回ります。
ちなみにPythonのrandomモジュールも初期化の種は32ビットの整数なので、同様の問題点があります。
乱数の周期は問題ないのですが、seedの桁数が不足しているんですよね。
かといってseedの桁数を増やしていくと、そのseedの生成にハッシュが必要になってしまいます。
・・・まてよハッシュ?
SHA512の出力を、そのまま内部状態の初期化に使えば良いんじゃないだろうか?
ただし、MTは、もっとも内部状態がすくないもので、521ビットの内部状態を持ちます。
・・・むむ、9ビット足りない。なんかすっきりしないなー。
そんなもやもやを抱えてWebを放浪していたところ、WELLにたどり着きました。
WELLとは?
- MTの開発者も関わっているMTより新しいアルゴリズム
- MTより少し計算コストがかかる
- MTより乱数の品質(高次の均等分布や零超過状態の回復)がより良い。
- サポートしている内部状態は512~444972ビット
・・・512ビット!ちょうどSHA512で初期化できるぞ!
ということで、WELL512+SHA512でシャッフルすることにしました。
でも、バベルみたいにデッキが250枚くらいになると、512ビットでも不足するんですね。
そこまで考慮すると、WELL1024 + SHA512×2になりますね。でも、これはちょっと美しくない感じがするので、バベルは無視することにしました!まぁ人間のシャッフルよりはずっと良いですしね!
むむむ、250枚のカードのシャッフルは、約10の492.5乗で、WEL1024でも不足ですね。
返信削除60枚でもシャッフル4回が相関無いようにするには、60の階乗の4乗×60×4(≒2の1096乗)の周期が必要なので、これもWEL1024では不足。
返信削除でも、あんまり長い状態を保存するのは避けたいんですよねぇ。
シャッフルの度に時刻等を種に初期状態を算出しなおすことにするか、人間様よりはマシだからとシャッフル間の相関は諦める?
返信削除再現性を担保したまま、いずれクライアントサイドのJSでシャッフルさせたいので、相関は諦めるしか無いかな。
残念。
続き書いてみました。
返信削除えーと、pythonのrandom.seedはいくらでも長いseed入れてもいいんだけど…
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